Mountain Diarry
初単独縦走・南アルプス(北岳〜茶臼岳)92年9月6日〜92年9月14日
<南アルプス 北岳〜茶臼岳 単独縦走編>
大学1年の時に、単独で初めて南アルプスを縦走した。
今思い返すと、もっと長く山に入っていた気がするし、途中で2日くらい沈殿日があったように記憶していた。また1週間ほとんど人とすれ違わなかったと思っていた。記録帳を見て確認してみると記憶は案外いい加減なことに気付く。
でも、初めて一週間かけて歩いたこの山行は、記憶の中に大きく残っている。
また、すべて自炊とテント泊で水も4リットルくらい背負っていたと思う。良くもこんなに体力があったものだ。当時は、トレーニングをしないと落ち着かず、雨の日でも外を走っていた。
この記憶をしっかりとHPにも書き留めておきたい。記録帳も今、読み返すと笑えてしまう。
(HP作成日:2006年3月11日)
19月6日沼津駅〜富士駅〜甲府駅〜広河原
29月7日広河原〜北岳〜間ノ岳〜農鳥小屋
39月8日農鳥小屋〜三国平〜塩見岳〜塩見小屋
49月9日塩見小屋〜三伏峠〜烏帽子岳〜高山裏小屋
59月10日高山裏小屋〜荒川前岳〜荒川中岳〜荒川小屋
69月11日荒川小屋〜赤石岳〜百間洞〜百間洞テント場
79月12日小兎岳〜聖岳〜小聖岳〜聖平小屋
89月13日聖平〜上河内岳〜茶臼岳〜横窪沢小屋
99月14日横窪沢小屋〜ウソッコ沢〜畑薙第一ダム〜静岡駅
1992年9月6日〜9月14日
南アルプス・単独縦走《北岳〜茶臼岳》
高校3年の冬に、初めて愛鷹山、竜爪山を一人でテントを担いで縦走をした。今回は、初めての長期単独縦走となる。ゆっくりと南アルプスの自然を体験したくて、非常にのんびりとした行程を組んだのを覚えている。特に、南アルプス南部の深い自然林の中を歩くのがとても好きだった。

初日9月6日
テントなどの生活用品と一週間分の食料を詰めたザックは重く肩にのしかかった。大きな期待と不安を胸に、沼津駅へバスで向かった。
初日は、移動のみ。沼津駅から富士駅へ向かいそこで身延線に乗換え、甲府へ向かった。甲府駅では広河原行きのバスの時刻を調べていなかったために、タクシーを利用することとなった。学生で8,000円は痛かったが、これでもタクシーの運転手がまけてくれた値段だった。

2日目9月7日
いよいよ登山開始。
5:45分にテント場を出発し大樺沢を通り、最初の山頂である北岳へ向かう。この日は、天気快晴。7時を過ぎると気温も一気に20度を越した。
9:20分に稜線に出て、10:45には日本第2位の高峰である北岳山頂を踏んだ。
山頂での眺めは最高だった。稜線から北岳に向かう途中で道を間違えてしまいガッカリした。(と記録にあるが覚えていない。)
北岳を出発し、13:08に間ノ岳山頂を通り、14:14には今日の宿泊場所の農鳥小屋に着いた。農鳥小屋は水場までが超遠いと記録しているが、夕食に何を食べたかは記録していない。途中で食べたリンゴにいたく感動していたようだ。

3日目9月8日
朝、一番で農鳥岳をピストン。この日も朝から快晴で農鳥からの景色は「最高の景色」だった。7:42に再び農鳥小屋を出発し三国平へ向かった。
この当時、9月の平日に南アルプスを歩いている人は少なかった。三国平で早大山岳部2名、熊の平小屋で東海大山岳部2名と一緒になった。
安部荒倉岳分岐を経由し、12:15に北荒川岳山頂に到着。25度近い気温だが山頂は風がとても心地よかった。
一日、快晴だったが塩見岳山頂を過ぎたあたりでガスが出てきた。
14:56に塩見小屋に到着。塩見小屋の水場は「超遠い」農鳥よりさらに遠かった。この日は、最高に疲れ右ひざと腰が痛かった。天気図を取り、夕食を食べて速攻熟睡。

4日目9月9日
昨日はさすがに疲れた。朝はゆっくりと7:35に出発した。
今朝も朝から快晴。天候に非常に恵まれている。三伏峠を9:02に通過をし、烏帽子岳山頂に9:51に登頂した。
この頃から雲が出てきた。
10:50に小河内岳山頂に着いたが、20度以上有った気温も18度と下がってきている。高山裏小屋では霧雨となった。この日は避難小屋に泊まることとした。小屋の中では、一橋大山岳部3名と一緒だった。

5日目9月10日
今日は、休養日。6:03に高山裏小屋を出て荒川三山の前岳、中岳を経由して9:52荒川小屋に到着。
高校山岳部でここに泊まり、水場が近くまた景色が良いのでこの場所がとても気に入っていた。今日は半日ゆっくりと景色を堪能する。水場は水が少かったが少し下ったところから水を補給し、ゼリーを作り、昼食もゆっくりと時間をかけて沢山食べた。
確か、文庫本を持っていて青空の下で読んだが何の本を読んだか覚えていない。多分、植村直已か新田次郎だったと思う。

6日目9月11日
5:30に出発。
天気は快晴だったが、赤石岳の稜線に出る頃には強い風が出てきた。
8:27にヤッケを着て軍手を装着。
8:39に赤石岳山頂に到着する。
10:36に百間洞に到着する。ちょうどこの時、新築中だった。途中、何度もヘリが飛んでいくのを見たが、この資材運びのためだった。百間平山の家は崩壊していた。山の家から少し戻ったところで幕営。ここは沢が近く水も豊富で良いテント場だった。

7日目9月12日
昨晩は、中秋の名月で月がとても奇麗に出ていた。山にはもう冬が近づいてきている。
朝、テントの水滴が凍っていた。外気は-0.6度。
6:00に出発。
9:09に兎岳を通り、10:39に聖岳山頂に到着した。
2002年に再び同ルートを通ったときは聖の登りで死にそうだったが、この時は特につらいとも書かれていない。
12:39に聖平小屋に到着した。聖平周辺は深い森に包まれていて、またコケが沢山あり雰囲気がとても大好きだ。この日が多分週末だったと思うが、聖平は多くのバーティが登りに来ていた。
テント9幕、小屋の中多数。また、沢の水は枯れていて5分ほど下ったところで調達。木々も高校時代に来たときと比べると枯れているものが多かった。「酸性雨の影響か?」と分析している。
18:30頃から雨が降ってきた。

8日目9月13日
6:30に聖平を出発。
8:53上河内岳山頂に到着。この日は気温が低かった。
10時を超えてやっと10度を上回る温度だった。
10:30転倒し右ひざを打つ。一人で歩いているとこういうことがあるととても不安になる。
茶臼岳・仁田岳はなぜかやめたらしい。
11:13には横窪沢小屋に到着。高校の時に数回通っているルートだけど、この時は枯れ木が多く目立った。
また道も崩壊しているところが多く、「ガッカリ」した。横窪沢では避難小屋に宿泊。この辺の小屋はすべて91年の高校総体の登山大会開催の際に新しく立て替えられている。2002年に初めて新しい横窪沢小屋に入ったがとても奇麗だった。

9日目9月14日
6:21に横窪沢を出発。今日はもう下るだけだ。
ウソッコ沢、ヤレヤレ峠を経由して畑薙大吊橋を8:37に渡る。
9:14に沼平到着し下山者カードに記入。白樺荘で1週間ぶりのお風呂に入り御飯をたらふく食べた。ここからは、ヒッチハイクをしようと考え、車道をテクテク歩いていく。
12:05に車に拾ってもらい田代地区でおろしてもらう。インターハイで民泊をさせてもらった大村さん宅に顔を出して、14:58発のバスで静岡駅へ向かい17:45に新静岡駅に到着。
なじみの登山用品店に顔を出して下山報告をした。

初めての長期縦走だったが、この山行を通して結構自信をつけたと思う。また、乾燥食が多かったせいか爪がはがれてきたのでこれ以降の長期山行では、ビタミン剤を取るようにした。
また、古い登山記録を起してちょっとづつHPのコンテンツをためて行きたい。
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